華美に走りすぎなかった日本の照明器具
日本の照明には西洋のようなダイヤを散りばめたようなキラキラした超豪華絢爛なシャンデリアが少ないのは何故だと思いますか?
それは商人のしたたかな知恵と日本人ならではの心理の読みが深く関わっています
士農工商の身分制があった江戸時代、身分は低かったおかげで税金も安かった商人はしたたかに蓄財をし地方で大きな成功をし大きな屋敷や蔵を建てる豪商と呼ばれる人がたくさん表れました
江戸中期にもなると藩や幕府にお金を貸し出す余裕のある商人が多数表れました
しかしそれ以外の人たちは相変わらず貧しいまま。特に重税に苦しめられた農民は困窮を極め、度々一揆や打ちこわしという行動に出ました
そんな世の中で商人たちは自分の家をより豪華にする事を非常にためらいました
武家より身分が低い者は武家より上等であってはいけないという法律があったのはもちろんですが
警察やセコムの無い時代に、家をより派手にすると周りから狙われる可能性が極めて高かったというのがまず第一の理由でした
今も昔も嫉妬やねたみ程怖いものはないと言えます
ですから敷地は広く豪華である反面その中に「慎ましさ」のあるような家が好まれて建てられました
家の照明もそれに沿って作られています(照明器具は明治後半からの登場です)
その代わり商人は町衆が楽しめる「お祭り」には寄付を惜しみなく出しました
豪華絢爛な神輿の建造に率先して携わったのも
神社に大きなお金を気前良く寄進したのもその土地の豪商達です
そこには
お祭り騒ぎで庶民が普段の鬱積した気分を一気に晴らしてくれれば一揆や打ちこわしの騒動も少なくなるだろうという商人たちの深い読みと
米騒動の収束にさんざん手を焼いていた代官所との利益が見事に一致していたのです
西洋にはこれでもか!と財宝を見せびらかし自慢するような宮殿があるのに対し日本にはどちらかというと質素な色合いのお城しかないのは
武家でさえやはり
「人とのいざこざにはお金がかかる」という知恵があり
「和を保つ事にこそ損はない」と考える日本独特の心理を突いた考えがあるのです。
華美に走りすぎない
出過ぎないというのは我が身を守る安全策として
人間の心理を深く考え抜いてある
「華美に走っていないのにもかかわらず格調が非常に高い照明」というのは世界的にも類をみないと言われます
これこそ真の究極の職人技と言えます
長い歴史を持つ日本という国はやっぱりすごいなあ!と改めて考えさせられます。